少年院事業を通して
これ、何のサイト？
2023年12月、ぬるま湯デザイン塾の取り組み一環で地元三重県にある「宮川医療少年院」にデザインの講師として訪れました。少年院ではなく、「医療」少年院。精神や身体に障害を抱える子どもの中で犯罪に手を染めた子たちが収容されています。
卒院の際に手に職をつけるきっかけになればと、NPO法人クラージュ様のご協力のもと指導をさせて頂きました。5人の生徒に教えたのはHP作成。2日間にかけて計8時間の猛特訓です。しかも今どきのお手軽で簡単にHPが作成できるソフトを一才使用せず、HTMLとCSS、VS Codeを使って1からHPを作成しました。
初めは誰でも不安。
始めて扱うソフトに皆不安そうな表情、当たり前ですよね。しかも今のデザイナーでも皆が使うわけではないような難しいツールなので尚更。でも、1から丁寧に説明していき、手を動かしてもらう中で、書き込んだコード通りに画面が変わるたびに「わー！すごい！」と嬉しそうな表情。
こうなるともっと教えてあげたくなるのが親心。予定していなかったことまで指導しても、まだまだ足りないと知恵を求めてくる彼らに、学びの貪欲さを感じました。
素直が一番！
卒院後に是非、仕事にしてみたいという生徒の学習意欲は半端じゃないです。教えるタグやショートカットキー、PCの知識、全部吸収していきます。5人が全員脱落することなく、予定していた8時間で見事に作成完了しました。
実はデザインには「センス」はあまり必要とせず、それよりも基礎基本の徹底が超重要です。そのことを5人の生徒に改めて感じさせられた機会でもありました。アンケートでは、感じた難易度に個人差はあったものの、5人全員が2日間とも「大変満足」という結果でした。
道を極めたいならまずは基礎基本の徹底。
中途半端に自分の考えを取り入れるのではなく、まずは先生に教わったことを取り入れる姿勢はまさに「守・破・離」の「守」。つまり基礎のことです。1年や2年やっただけでは、まだまだ基礎は疎かで忘れやすいもの。
基礎基本の型を破る「破」、そしてオリジナリティを加え大きく羽ばたく「離」は何十年もかけて「守」を行なってきた人にしか見えない境地。ここに至るまで日々、基礎基本の徹底。